世界一周のひとり旅は自分との闘い<世界見聞録>

いまベルリンの友人宅で、コーヒーを飲みながら食器棚の上の猫ちゃんに監視されつつ、ジャズを聴いてこのブログを書いています。


ひとり優雅に世界一周のひとり旅。傍目から見るとそんな風に映るのかもしれません。しかし、その実はかなり過酷な毎日が続きます。 基本的な旅のルートは決めていますが、枠をはめない今回の旅では、進みながら行く先をプログラムしていきます。

見知らぬ土地、初めての国を訪れる旅では、日々の雑務に忙殺されます。
・行く街を決める、訪れる場所を決める(これは想像以上に難しい)
・泊まるところを見つけて手配する(手間と時間がかかる)
・そこまでの移動手段を調べて確保する(ルートは無数にある)
・食事の材料を入手して、料理して食べる
・洗濯する、入浴する、体の手入れをする
・そして観光する

文字に書き出すと簡単なようですが、行った先は初めての場所なので、思うようには動けません、思うように物が手に入りません。メトロの切符ひとつ買うのにも勝手がわからず苦労します。

そして、メトロはどうやって乗るの?何番に乗るの?どっちの方面?降りたらどちらへ進むの?何か言ってる、でも言葉が分らない。買い物はどこ?・・・

果てしない冒険が目の覚めているうちはずっと続きます。


ホテルは使わない


この旅ではホテルは使いません。今まで東京の我が家で受け入れてきた友人のお家、それがなければCouchsurfingとAirbnbで探します。宿泊先は個人宅ですから、そこに辿り着くには想像を越えた苦労が毎回あります。

いまやモバイルさえ持っていれば、グーグルマップが宿泊先まで連れて行ってくれます。しかし、その建物の近くに行きついた時からドラマが始まります。 家の前に立って、ドアを開けてもらって、中に入るまで、そのたった数メートルですらが困難なことが何度もありました。

最後の最後にドラマがやって来る


海外では表札が出ていることは稀です。目の前に3つドアがあって、どの部屋が泊まるお宅なのか分らない、表示もない、そんなことは日常茶飯事です。



こんなのはまだ良い方で、住所表示がでたらめな国も多い。辺りは暗い、雨が降っている、人通りは無い、もとより英語は通じない、そんなシチュエーションにでくわすと、タフな心も折れそうになります。

またホテルに泊まらずに、人の家にごやっかいになる今回のような旅では、初対面が繰り返されます。気が休まるときがありません。それを毎日繰り返す。すでに3か月になります。相当、心が擦り減ってきました。


自由な旅にこそ休養が必要


前回、休養をとったのはちょうど一月前のベルギーの友人宅でした。その時も旧知の間柄なので実にリラックスできて、充電完了、さあ次へいくぞ、という感じでした。

ベルリンでは5泊お願いしていますが、これくらいの休養をとらないと、心も体もボロボロになります。


日本を旅している時も、消耗と好奇心との葛藤の日々は同じでした。オートバイで走りながら、その日のネグラを確保して、観光して、食事を作って・・・。日本でなら物の調達、場所を見つける、そんなことは容易いことです。

しかし、海外のひとり旅、それも国を次々と巡る旅では、フリーWiFiを探して、ネットに繋げてということすら困難で、いろいろなことが出来ないことが当たり前という現実に、心が擦り減ります。

出来ないことが当たり前。それを承知で前へ進む。好奇心のみが自分の背中を押す。日々、自分との言葉の無い対話が続きます。




ではでは@三河屋

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