筑波海軍航空隊記念館で戦争を考える

これまた朝のNHKでこの記念館が紹介されていて、是非行かねばと、女房と行ってきました。

映画「永遠のゼロ」で使われたこの施設は、現存する神風特攻訓練基地です。

これまで鹿児島の鹿屋航空基地資料館、知覧特攻平和会館を訪れて、戦争と言うもの、そこにある一つ一つのドラマを展示物でつぶさに観察するときに、心はその時代に飛んで、起こったことを自分のこととして想像してみました。

今回またそういう施設に足を踏み入れて、戦争の残り香を嗅いでみます。

そういう体験が出来るのは、時代の生き証人である生の展示物が持つ迫力ゆえだと思います。






女房は電車で、私はオートバイで。友部駅で合流して、現地へ向かいます。




付きました。友部 翼くんが迎えてくれます。



入り口の前で、敬礼!



ややっ、紫電改の文字が?!



なんと燃料コックは木製だったのか



ジャップの文字が痛々しい。被弾の穴が多数



ソロモン島で回収された。戦後払い下げられて大阪の個人が購入。




この階段を上ると映画のシーンを思い出す




実在した一人のゼロ戦乗りの歴史に見入る。
映画のモデルになった人。凄まじい生き様。展示に見入る。



窓の外には滑走路が広がる




外は夏の空。同じ空を見て飛んだであろうに






つい先日、自民党の暴挙で、真っ黒に近いグレーのまま強行採決された安全保障関連法案。終戦記念日も近付いている夏の日に、戦争を考えない訳にはいきません。

衆議院で法案が通ってしまった以上、これを押し留めるのが益々困難になっています。


人間の歴史は殺し合いの歴史。どんなに言葉をひねくり返しても、太古の昔から洋の東西を問わず、人間は殺し合って生きてきました。

しかしこの70年間、日本は戦争もせず、世界に平和の根本を静かに示してきました。それは太平洋戦争で失われた命、悲惨な経験を二度としないという決意だったと思います。

いわば人類の歴史に抗った日本の行動は、褒められることはあっても、非難されることは無いと確信します。

もしも戦争が起こっても、戦地に行くのは私の息子、そして甥っ子たちです。彼らを戦地に行かせないようにするのは、戦争に行かない人たち、行かない世代の義務だと思います。

いまのままでは、他国の戦争に引っ張り込まれる「可能性が高い」。この「可能性」を消していたのが憲法9条ですが、それを改憲もせずに閣議決定で決めてしまう。失われた御霊たちにに言い訳できません。


人間は愚かで、持ったチカラは試したくなる動物です。その持ったチカラ(自衛隊)を悪用できないように自らにガッチリ鍵をかけて、それを誇りにしていた日本、そしてそれが出来る奇跡を世界に示してきた日本、その日本を羨望する国々。

世界は争いに満ちています。それが人間の本質だからです。その本質に理性、知性、理論で如何に立ち向かうか。それを示してきた日本なのに、その日本がいま試されています。





その強行採決の当日、私は国会前の反対デモの中にいました。原発再稼働反対以来の3年ぶりの国会前デモです。

その只中に居て、ひどい違和感に襲われていました。

この法案を押し通したい人、押し留めたい人、その両方を見て無邪気に反対・反対と声を上げられなかった。

それは、国を思う心は同じでも、方法論、アプローチが違うということに気付いたからです。方法論、アプローチの違い、それによる敵対関係が生じていることに。ああ、宗教と同じだ、そう思いました。

展示の一部に、こんなビデオがありました


日本の宗教は戦わない宗教です。世界の宗教は戦いの宗教です。ここが大きく違う。

日本人は正月は神社に、葬式はお寺に、クリスマスは楽しく、何の戸惑いもなく自然に宗教行事を歳時記に加えてきました。何でも取り込み、それを自分たちの一部にしてしまう寛容な文化。節操がないと非難されようが、結果が全てを示しています。平和で安全な国、日本。


なぜこんなに潔くクリーンで平和でいられるのか、それを理解する糸口は、我が家にやって来る様々な国のお客さんとの対話でした。

誰もが東日本大震災での日本人の落ち着いた行動を賞賛します。なぜ日本人はそのような行動がとれるのか。外国人から問われて思考の海を泳ぎました。行き着いた答えは「明日の命は分からない国に生きる覚悟を暗黙の了解として生きる国民」なのだということでした。

大地震や災害で、たった今、自分の命、家族の命は失われるかもしれない。外国人からすれば、そんな危険な国によく住んでいられるなあという率直な意見に、先の暗黙の了解は理解してもらえないだろうなあと思いました。

大災害は起きる。でもそれに対応できる心構えと歴史を持っている。常に意識の中にそれがある訳ではありませんが、火事場が現れればバカヂカラを出す。そんな人たちが住む国、それが日本なのだと。


戦争もある種のバカヂカラだったと言えなくもありません。同じ使うなら、平和な方に、喜ぶ方に、涙を流さない方に使いたいなあと思って、筑波海軍航空隊記念館を後にしました。


ではでは@三河屋



追伸:ぜひ既出の 映画 永遠の0 観た、感じた、考えた も併せてお読みください。


筑波海軍航空隊記念館 HPはこちら



【厳選参考】

安保法制について考える前に、絶対に知っておきたい8つのこと

いつまで続くのか「空想」と「現実」の戦い

戦争責任者の問題 伊丹万作


参考:
三河屋ってどんな人? About me
ダブルインカムからシングルインカムへ
ダブルインカムからシングルインカムへ その2

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