オフグリッド事始め 100Wソーラー自家発電発進

オフグリッドという言葉をご存知でしょうか。

電力会社の送電網をグリッドと呼び、オフグリッドとは既存の電力会社に頼らず、自前で電力を確保することです。



福島のボランティアに携わって地元民目線で眺めた時に、東京電力や政府の横暴さに怒りと言うか哀れを感じてしまいました。

既得権益を守るために、国益と言う嘘で塗り固めた原子力エネルギー。そんな不易なエネルギーと決別すべく、個人レベルで何かできないか、一歩踏み出したい。そう思っていた矢先に面白い記事に出くわしました。


横浜市内在住の夫婦が実践! 電力会社と契約しない「オフグリッド」生活とは

メーターがなくて、東京電力の検針員がびっくりしたなんて、実に痛快!

「もう東電さんとは一切関係がないことをご理解いただきたいのですが…」

なんてオーナーさんが東電に説明したのですが、私も言ってみたい!




さらにググると出てくる出てくる・・・

電気代ゼロ円!東京の公団で完全オフグリッドライフを楽しむ、ソーラー女子の知恵とワザ

世の中には電力会社と縁を切って、すいすいと生活している先達がいるということに感動すら覚えました。

我家は東京都内で、息子は既に巣立って、夫婦二人の気ままなマンション暮らしです。

ベランダが東南向きで午前中は太陽いっぱいの恵まれたソーラー環境なので、試してみるには好都合だなと思いました。

同様の集合住宅のご家庭なら、即実行できるように具体的かつ実践的に記していきましょう。


100Wのソーラー発電システムなら4万円程度

まずは何よりやってみる、と言うのを基本ポリシーとしている私は、ソーラー発電キットを買って試してみることにしました。以下がそのセットの仕様と費用一覧です。








このキットに加えて屋外置き用のボックスとソーラーパネルと接続する専用のMC4型コネクターをアマゾンで調達。足りない線材と圧着端子は手持ちのものを使いました。
  • ソーラー発電キット    38,980円
  • コンテナボックス(透明)  1,194円
  • MC4型コネクタ         650円 
    ---------------
                 合計 40,824円


さあ出来上がりました。







室外置きなので、雨がかかっても大丈夫なように防水対策してます


我が家は公共料金を2006年からExcelに入力してグラフ化しています。これを使って前年と比較しながら毎年省エネ化を達成しています。

これに部分的でもオフグリッドでの電気料金低減の試みを追加出来れば、鬼に金棒。アンポンタンな東京電力に払うお金を減らせます。


このソーラー発電キットの耐用年数を5年とすると、年間費用は約8千円です。

昨年一年間の電気料金は過去最低で、84,721円、2,823kWh。

月平均で235kWhですね。これをいくら下げられるかがチャレンジです。


たった年8万4千円のためですが、気持ちが違います。東京電力に払うお金は1円でも減らしたい。

年間でかかる電気料金を8千円以上下げれれば私の勝ち(つまり儲け)です。



まずは現状分析から

作戦はこうです。

日中、自分が居るのはダイニングテーブル。ここにパソコンからプリンターから書籍から、はたまた工具まで、手を伸ばせば二歩で掴める距離に全てのものが置いてあります。必然的に電気を使うのはこのエリアに集中します。

手始めに、このエリアの電気の使用量を測る事から始めました。



電気を使うのはデスクトップPCとタブレットPC、液晶モニター2台、スピーカーシステム、プリンター2台、HUB、携帯電話です。

常時使用で電力モニターで測ってみると、突入電力を除くと80W以下であることが分かりました。

今回構築したシステムは100Wソーラーパネル+12V20AHバッテリ+300Wインバータ電源ですから、100W以下の電力使用はへっちゃらです。

あとは日中の太陽光発電で得られたバッテリ電力で、どれだけの時間使用可能かが注目点です。



実際にやってみたら・・・

リビングのPC周辺の使用電力量をモニターで測ると70W前後。
240Wh÷70W=3.4h

実際には効率100%とはいかないから、70%くらいと考えるのが妥当なので、
3.4h×0.7=2.4h (70W×2.4h=0.168kWh)

実際に試してみたら、2.5hで使用電力量は0.16kWhだったのでドンピシャの計算通りでした。

200日稼働したとしたら・・・
0.16kWh×200日=33.6kWh

年間電力使用量で考えると賄える電力割合は・・・

2014年実績なら2823kWh:1,2%
2013年実績なら3638kWh:0.93%

という計算になりました。悪くないですね。



契約アンペアと3段階電気料金を攻める

いま使っている電力の一部が要らなくなるわけですから、契約アンペアを減らすことで基本料金を下げることが出来ます。

現在は従量電灯B契約の40Aで契約しています。内訳はこうです。

従量電灯でB契約 40A

基本料金 アンペアで決まる:いまは40Aで1123.2円 (参考:20Aで561.6円、30Aで842.4円)

電力料金
・第1段階料金 最初の120KWhまで  19.43円/kWh
・第2段階料金 120超~300kWh以下 25.91円/kWh
・第3段階料金 300kWh超        29.93円/kWh

燃料費調整額 555.44円
 (原油・LNG・石炭の価格変動を電気料金に反映させる)

再エネ発電賦課金 159円
(電力買取費用を利用者で分担負担する)



このように電気料金には第一段階料金(最初の120kWh)、第二段階料金(~300kWh)、第三段階料金(300kWh超)と別れていて、使えば使うほど高くなる仕組みになっています。

第1段階の120kWhで抑えられれば、電気料金を低減して東京電力に支払う金額を下げることが出来ます。

6500円/月なら3850円程(-40%)になります。2014年で84,721円だったので、-40%なら50,832円。2014年比で月々2,824円安くなる計算です。

さらに、いまの契約アンペアを40Aから30Aに下げれば、基本料金も下げられます。

捕らぬ狸の皮算用ですが、果たしてうまくいくか。

まずはやってみる。お楽しみは続きます。



完全オフグリッドは難しいが・・・

都内の既存のマンションに住む者としては、マンションを売る時のことを考えると、電力の完全オフグリッドは難しいですが、一部なら可能です。それを部分オフグリッドと呼ぶそうです。

それに、この部分オフグリッドはモバイルAC100V電源になります。

箱に入ってるので持ち運びも簡単。こんな具合です。


充電が完了してしまえば、どこにでも持ち運べます。

震災が起こっても非常用電源になる優れもの。防災対策バッチリ。

AC100Vというのがポイント高しです。

加えて、USB化が進んでいる携帯、カメラ、PCなどのITデバイスへは、変換効率を考えてDC12V⇒DC5Vへの安価なインバータを使えば、より長い時間、より多くのデバイスへの電気の供給が出来るようになります。



人生を楽しむがモットー。

これからしばらく充電状態を確認して楽しめそうです。



ではでは@三河屋

追伸:2018.7
こちらどうぞ。役に立ってます。
暑さを味方に:太陽光発電でモバイル充電を無料化する



さらにお役立ちかも:
わたしたち電力  http://greenz.jp/issue/energy/wataden/
自エネ組 http://jiene.net/


Update:2015.7.22 真夏の炎天下でソーラーパネル仰角による電圧変化を測定した
・垂直だと13.6V
・太陽照射に直角辺りでMax14V
その差は0.4Vで2.85%と左程大きくない。
ベランダの柵に垂直固定しても大丈夫そう。

Update:2015.7.25 このキットは約4万円ですが、現時点で上記と同等の100Wソーラー発電はAmazonで部品を集めれば3万円以下で構築できます。(勿論、自己責任ですが)


参考

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快感:社会の鎧を脱ぐ
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